ヌメ革を日光浴させたいけど、日中家にいない…
仕事で日中は家をあけることが多い場合、ヌメ革を日焼けさせるタイミングがなかなか作れなくて困る方もいるんじゃないでしょうか。
そこで考えるのが、ヌメ革は部屋の蛍光灯や照明では日光浴できないの?ということ。
今回は、ヌメ革の日光浴を日光でするのが難しいときに、部屋で日焼けさせる方法についてまとめました。
ヌメ革の日光浴は蛍光灯でも可能?
新しいヌメ革の製品を日光浴させてから使おうという方も多いと思います。
でも、仕事で1日家をでている人にとっては、大切なヌメ革を放置したまま、ずっと日焼けさせるのはちょっと怖いですよね。
日光浴させて一度日焼けしたヌメ革は元の色には絶対に戻りませんし。
進行しすぎて思っていた色より濃くなったりしたらかなりイヤです^^;
もし、室内での蛍光灯の下に置いておくだけで日光浴出来たら嬉しいですよね。
ヌメ革の日光浴は普通、太陽光の日陰に置いておくことがベストといわれています。
そもそも、なぜ太陽光に当てることで日光浴できるのか?ということが理解できれば、蛍光灯や部屋の照明での日光浴はどうなのか?が分かると思います。
なのでまずは、太陽光でのヌメ革の日光浴のメカニズムを簡単に、分かりやすく説明して行こうと思います。
人間が太陽の光を浴びると日焼けするのと同じで、革も太陽の光を浴びると色が濃くなります。
ただ、人間は生きている間ターンオーバーといって細胞が日々生まれ変わっていますよね。
だからわたしが夏に真っ黒に日焼けしても、冬になると元の皮膚の色に戻ることができます。
そうでなければ今頃は知らない人に2度見されるくらい真っ黒です。
革の場合は人間とちょっと違っていて、革自体の細胞は生きていません。
超簡単に言うと、死んでいるのです。(あ、知ってました?w)
なので細胞はターンオーバーしないまま、ドンドン濃くなっていくのです。
この”日焼けする”ということは、太陽の光から発せられる紫外線が関係しています。
紫外線を浴びたヌメ革の中のタンニンや油脂が酸化し、色が濃く変化していくのです。
ということは、紫外線が蛍光灯からも発せられていれば、蛍光灯でのヌメ革の日光浴も可能になる。ということですね。
では実際、蛍光灯から紫外線は出ているのでしょうか?
実は蛍光灯というのは、蛍光管という管の中で紫外線を出しています。
その発生した紫外線は目に見えないものなので、管に蛍光塗料を塗って、発光させているのです。
普段、皆さんが見ている白いやつはあれが光っているのではなくて、中で発生した紫外線を白い蛍光塗料で光らせているしくみ。
なので、蛍光灯からも微量ですが紫外線が出ています。
たとえば、長年壁に貼り続けたポスターが変色しているのを見たことがありませんか?
窓が近くにない場所で、ポスターの色が退色しているとしたら、それは蛍光灯から発せられた紫外線によるものでしょう。
ということで、一応蛍光灯でのヌメ革の日光浴は可能といえば可能ということです。
ヌメ革は部屋の照明でも変わる?
ただ、部屋の照明として蛍光灯を使用している程度では、ヌメ革の目に見える変化が起こるまでにはかなりの年月を必要とします。
部屋の照明にずっと当てておくことですこーしづつは変化すると思いますが、きっと1ヶ月経っても、目に見える変化はほとんど見られないでしょう。
蛍光灯でヌメ革の色を変化させようと思うと、それくらい気長に待つ必要があります。
その原因は紫外線の量にあります。
蛍光灯は太陽の光の約1000分の1しか紫外線を発さないとわれています。
ということは、蛍光灯のみで日光浴させた場合、太陽光での日光浴と同じ色に日焼けさせようと思ったら1000倍の時間必要ということになりますね。
まさかヌメ革の財布を買って、蛍光灯の日光浴で2年使わずに置いておく。なんて人はいないと思いますがw(それなら使えよってw)
実際に、わたしがヌメ革の日光浴を比較実験している記事も書いていて、そこに部屋にずっと置いているだけのヌメ革もあります。
どのくらいの期間で、どれだけ変化するのかを画像で見てもらえば違いがよくわかると思います。
リンクを貼っておきますのでチェックしてみて下さいね。
ヌメ革のエイジングをブログで公開中!日焼け3ヶ月目はこんな感じに!
ちなみに、お部屋の照明がLEDの場合、一般的なLED照明からは蛍光灯の約200分の1程度しか紫外線がでませんので、ヌメ革の日光浴は出来ません。
悲しいくらい、変化しませんのでご注意下さい^^;
ただ、さっきのリンク先を見てもらったらわかるのですが、蛍光灯でもこんな感じですので…w
ヌメ革の日焼けを蛍光灯でするコツとは?
わざわざヌメ革のためだけにライトを準備できない!という人の方が、多分多いと思います。
蛍光灯でヌメ革を日焼けさせるちょっとしたコツ的なことを1つ伝授します。
ちょっとした小話と思って読んで下さい。
百貨店の婦人靴売り場では万引き防止のため、1足のうちの片方の靴だけを陳列することがあります。
右なら右足だけを店頭に置いておきます。
これなら盗まれる心配がありませんよね。
ですが、お客様が試着してみたいと裏からもう片方の靴も持ってくると、あらビックリ。左右で靴の色が変わってしまっているんです。
革の種類によっては、1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月と時間が経ってから店頭に置いている方の靴と、裏で箱に入れていた方の靴を並べると色が変わっていることがあります。
こうなると売り物になりませんよね?なので、販売員さんが定期的に片足ずつ入れ替えて均等な色になるようにしているのです。
ここで何が言いたかったかというと、百貨店には照明の数が多いのはもちろんですが、靴の陳列の棚には1段ずつ蛍光灯がついているんです。(今ではLEDかもですね。)
1段ずつライトがついていなければ、上の段は明るくて商品が良く見えるけど、下の段は暗くて全然商品が売れない、ということになりかねません。
なのでどの段でも商品が良く見えるように、照明が取り付けられています。
このように、商品と照明の距離が近い方が日焼けしやすいのではないかと思います。
確証があるわけではないですが^^;
なのでもし、使用するまでの期間がちょっと長くなっても良いという方は、
蛍光灯の近く(15〜20cmくらい?)にずっと置いておくと、天井の部屋の照明とテーブルの距離よりは、多少色が濃くなっているかもしれません。
ちなみに、オイルは塗っておいた方が早くエイジングが進行しますよ。
関連記事ヌメ革を早く飴色に!革のエイジングを早める方法とオイルはこれ!蛍光灯でのヌメ革の日光浴はちょっと難しそうかも…と思いますよね。
でも、もしどうしても室内でしか日光浴できないんです!!という方に秘策をお教えします。
それは、ヌメ革専用に照明を準備して、ヌメ革日光浴セットを作ってしまうことです。
室内の蛍光灯では紫外線量が少ないため、ヌメ革に変化が起きにくく、エイジングが進まない。ということは最初に説明したのですが、
それを逆手に取って、紫外線が出るライトを準備すればいいんじゃない?ということです。
紫外線をたくさんだす照明にヌメ革を長時間当て続ければ、室内でも日光浴させることが出来ます。
例えば、ブラックライトや殺菌灯ランプという照明であれば、紫外線が出ていますので確実に日光浴させることが出来ます。
※人工的に作られた紫外線のでるライトは、人体へ影響を及ぼすものもあります。ご使用の際は十分注意し、よく調べて知識を得た上で行いましょう。
ちなみに懐中電灯タイプのブラックライトでは当たっているところだけが濃くなりますのでやめましょう。
ヌメ革の日焼けをさせるなら、直管の紫外線の出るライトで少しずつ様子を見ながら行ってみると良いと思います。
ただ、わたし自身はやってみたことがないので、もしやるなら、日焼けさせたい面が全面当たるようにライトを準備・設置して、数時間ごとに様子を見ながらひっくり返したりしてみるといいと思います。
どうしても室内で日光浴させたい!という場合には、こういう手もありますので、参考にしてみてくださいね。
ヌメ革の手入れや日光浴させることなど、ヌメ革についての当サイトのブログ記事を1ページにまとめていますので「もっとヌメ革のことが知りたい!」と思う方はどうぞです♪
ヌメ革の日光浴は蛍光灯でも可能?部屋の照明で日焼けするコツって?まとめ
ヌメ革を室内で日光浴させたい場合、蛍光灯はヌメ革用に紫外線が出るものを準備出来れば一番いいですね。
他の関連記事でも詳しく書いていますので読んでみて下さいね♪
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